個展『STAIN』振り返り
2026年 8月4日(火)~8月29日(土)
two meet gallery(立川)
「two meet gallery」で開催した個展で展示した作品や空間を振り返ります。

会場となった「two meet gallery」は、カフェ「two meet coffeeroom」に併設された展示室です。
カフェは、床から壁、天井に至るまですべてが青色で統一された空間です。この心地よい「青」の空間に合わせた展示を作りたいと考え、青色が多用されている「洗剤のパッケージ」をモチーフに選ぶことにしました。
展示のコンセプトを表すタイトルは「STAIN(汚れ)」です。
完璧に綺麗でまっさらな白いキャンバスを前にしたとき、何も描きたくなくなってしまうのは「絵描きあるある」だと思います。純白のキャンバスに絵の具をのせる行為は、まるでただ「汚して」しまうことのようにも思えます。絵を描くということは、もしかすると「汚れ」を重ねていくことなのかもしれません。
そんな思いから、今回は汚れを落とす「洗剤」を、あえて「汚すもの」である絵の具で描くことにしました。入り口には一切筆を入れていない真っ白なキャンバスを展示し、僕が描いた作品の10倍の価格をつけました。
今回のメインとなるのは、横幅5メートル程の大きな作品です。
ア◯エールのパッケージをトリミングしてキャンバスに描き出しました。
その他にも、ウタ◯ロやドメ◯トなど、洗剤のロゴを描いた作品を展開しています。
これらはすべて、一度きれいに描き上げた上から絵の具をこすりつけたりぶちまけたりして、あえて画面を荒らす「汚し」の作業を施しています。
洗剤をモチーフにしたアート作品といえば、真っ先に思い浮かぶのがアンディ・ウォーホルの代表作『ブリロ・ボックス』です。
沢山のアーティストたちがオマージュしてきたこの作品を、本展では『Stain』という架空のアクリル絵具ブランドのダンボール箱を制作して空間に積み上げました。
元の箱に書かれている「SHINES ALUMINUM FAST(一瞬でアルミがピカピカ)」というコピーは、「STAINS CANVAS FAST(一瞬でキャンバスを汚す)」に書き換えています。
さらに、ウォーホルが既存の「牛」の画像で壁面を埋め尽くした作品『Cow』へのオマージュとして、本展では「象」の壁紙を作成しました。
このカフェのロゴが象のイラストなので、そこから引用しました。
展示空間の作り込みは、いつも以上に細部にこだわりました。
ガラス扉や壁面に配置した「Stain」のタイトルロゴのシールなども自作しています。
また、青いカフェの空間に合わせるため、芳名帳のバインダーやボールペン、キャプションなどのサインの文字に至るまで、すべてを青色で統一して揃えました。
さらに、会場内のバックヤードのような少し奥まった空間には、本物のウォーホル作品である『Marilyn』をこっそり飾り、覗き込めるように展示しました。
象のポスターとダンボールは、グッズとして販売もしました。
ダンボール箱を被って写真を撮れるコーナーもつくりました。
カフェに立ち寄っただけの、美術館やギャラリーに行き慣れていない方でも、通りがかりにパッと見て「なにこれ!」と直感的に楽しめるポップで明快な空間を目指しました。
まずは分かりやすい視覚体験から入り、テキストを読んで少し深いコンセプトに触れる。この鑑賞体験が、分かりづらいと敬遠されがちな現代アートへ興味を持つ「きっかけ」になれば良いなと思っています。


























