あひる

個展『あひる』

日時:2013年11月2日~11月10日
会場:NANATASU GALLERY(西麻布)

西麻布にあったNANATASU GALLERYでの、最初の展示。
このギャラリーでは、以降も毎年様々な実験的な展示を試しました。
「子どもでも楽しめる展示」という、その後の活動の根幹となるテーマを初めて体現した展示でした。
あひるのプールを作ったり、ぬり絵コーナーを設けたりと、今日まで続く開放的で遊び心のある展示の原点となりました。

なないろのあひる

メイン作品は、7色×7枚の縦長キャンバスを並べた「なないろのあひる」
会場のNANATASU GALLERYが、ラッキーセブンの「七」に「+」が由来であったことから、「7」をテーマに据えました。
七色のレインボーカラーの背景にアヒルという、超ハッピーな絵を描きました。
他にも、小さな絵を7点制作するなど、「7」を意識した構成としました。

細長いキャンバスが好きです。
これは、日本の掛け軸や屏風絵、あるいはスマホサイズの影響かもしれません。
7枚組の作品ですが、1枚ずつを独立した作品として見てもバランスが保たれるよう、構図を緻密に計算しています。

スノコ

スノコに描いた絵もありました。
そういえば学生の頃から、キャンバス以外のものによく絵を描いていました。
ホームセンター、スーパー、100円ショップなど、どこへ行っても「これは画材や支持体に使えるかも」と想像してしまう癖があります。

あひるのぬりえと、あひるのプール

あひるの輪郭線を印刷した画用紙にぬり絵をしてもらうワークショップを開催しました。
展示中に来てくれた子どもや大人たちに色を塗ってもらい、完成した絵は壁に飾りました。
自分が小学生だった頃、夏休みの宿題などで描いた絵が壁に貼られるのが嬉しかった記憶があるので、ギャラリーの壁に飾られるってきっと嬉しいんじゃないかと思って企画しました。

屋外テラスには、無数のあひるが浮かぶプールをつくりました。
金魚すくいのように、ポイですくって持ち帰ることができます。
(入場無料の展示でお土産付き。大赤字でした。)

子どもでも気軽に入ることのできる展示

この展示以前は、壁に絵を飾るだけの普通の展示をしていました。
当時僕がアートスクールで教えていた小学1年生が見に来てくれて、静かで厳粛なギャラリーの雰囲気に非常に緊張している姿を目にしました。

「その子に、もっとリラックスしてアートを楽しんでもらいたい」という想いが、ぬり絵やプールといった企画を始める原点となりました。
(その子は今、僕と同じ美術大学の学生になりました)
会場で音楽を流したり、僕自身がTシャツなどのラフな格好で在廊するようになったのも、「しーんとした静かな会場は嫌だ」という思いからです。

今は当時より、アニメの展示や芸能人によるアート展など、気軽に入れる展示が増えたように思うし、それは素敵なことだと思っています。小さな頃からたくさん美術館やギャラリーを見て、アートが好きな人たちがたくさん増えたらいいなと願っています。